その際にチェックリストを使うと、効果性を高めることができます。ここでいうチェックリストとは、プレゼンスキルを各論の要素に分解して現状を把握するための評価シートのようなものです。

何の工夫もなく振り返りをすると、分析が粗雑になり、成長したパートを見つけることが難しくなります。だからこそ、このようにスキルを細かく分解し、解像度を上げることではじめて「どこがどう改善したのか?」が見えてきます。たとえば、「メインメッセージを短い言葉で端的に表現できるようになった」、「事例の表現をよりドラマティックに語れるようになった」、「プレゼン内容に合わせて表情の使い分けができるようになっている」といったふうに解明していけるのです。

「成長実感」をより強く持つためには、やはり他者の活用が効果的です。自分のスキルを定点観測してくれそうな人にチェックリストを渡し、「伸びたと思う点」をコメントしてもらうといいでしょう。

プレゼンテーションがうまくなると人生が好転し始める

数あるビジネススキルの中でも、プレゼンテーションというのは成長実感を持ちやすいスキルです。プレゼンテーションをすると、多くの場合、聴衆の反応が話し手本人にダイレクトに伝わってきます。うまくいったときには、「自分は認められている」という自己重要感と、「他者に貢献できている」という自己効力感を同時に味わうことができます。

誰にとっても自己成長は人生における大きなよろこびのはず。プレゼンテーションでその喜びを味わった人は、プレゼン以外の物事についても成長を求めるようになります。自分が成長していくあの快感が忘れられず、あらゆる努力、あらゆる工夫をして成長サイクルを回し、高みに達しようとします。

そうして人生全般の成長スピードが加速していきます。プレゼンテーションはそれだけの可能性を秘めているものなのです。

西野浩輝(にしの・ひろき)
マーキュリッチ 社長米テンプル大学MBA。大阪大学大学院修了。リクルートにて法人向け教育プログラムの営業、商品開発、マーケティングを担当。その後、アメリカン・マネジメント・アソシエーション(AMA)を経て、2003年に創業。これまで約6万人に指導。著書に『仕事ができる人の伝える技術』(東洋経済新報社)などがある。アダットパートナー講師。
(写真=iStock.com)
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