プレゼンテーション研修では、受講者から「どうやったら最短でプレゼンスキルを伸ばしていけるのでしょうか?」とよく聞かれます。
「最小の努力で最大の効果」を求めるのはビジネスパーソンとして当然ですし、健全な発想だと思います。その質問に対し、私は「ゴール意識」「自己修正力」「成長実感」という3つのキーワードで答えるようにしています。
では1つずつ詳しく見ていきましょう。
「ゴール意識」がプレゼンテーション上達の一丁目一番地
ゴール意識とは、「自分はなぜプレゼンを上達させたいのか」「どこまで上達させたいのか」というゴールを明確にするということです。
ダイエットでも、「以前はいていたズボンが再びはけるようになるために、ウエストを3センチ細くする」というように、ゴールが明確であったほうが取り組むモチベーションを高く保てます。
またゴールがわかれば、現在地とどれくらい離れているかがわかります。その距離が遠いのと近いのとでは、やるべきことも必要となる時間も変わってきます。つまり計画の立て方が違ってくるのです。だからダイエットは「何となく痩せたい」と思っているだけでは、絶対に成功しません。
ところがプレゼンに関しては、「何となくうまくなりたい」と思っているだけの人が意外と多く、それでは上達はままなりません。まずは「ゴール意識」を持つことがプレゼンテーション上達の一丁目一番地です。
ゴールは大それたものでないほうがいいでしょう。「部内でプレゼンテーションする際に上司に「なかなかやるじゃないか」と言わせる」、「コンペプレゼンテーションの勝率を半年で2割上げる」などで十分です。
「こんなプレゼンター」にという憧れのゴール像を持つ
「ゴール意識」において、もう1つのお勧めはロールモデルを持つこと。「こんなプレゼンターになりたい」という憧れは、やる気をより強くかき立ててくれるからです。
例えば、私にとってのロールモデルは「グレート・コミュニケーター」と評されたアメリカのロナルド・レーガン元大統領でした。余裕と威厳と愛嬌を感じさせる、洗練された笑顔。瞬時に聴衆を魅了してしまうダイナミックな立ち居振る舞い。ユーモラスでかつ心に響くエピソードトーク。どの点においても卓越しています。
重要なプレゼンテーションの前、私はいつもレーガン氏を思い出し、本人になったつもりでリハーサルをしていました。
ロールモデルは、著名人である必要はありません。あなたが憧れるプレゼンターを見つけて、イメージしながらトレーニングに励むと効果は倍増することでしょう。