「お茶の間でテレビ」はもうなくなる
今やどのテレビ局もネット上でオンデマンドの有料サービスを提供するようになりました。ラインナップを見ると、自局で制作したドラマやバラエティを配信すると同時に、それ以外のコンテンツも数多く配信しています。最終的にはその方向に進まないと生き残れないのですから、そちらにいち早く力を注ぎ、コンテンツ制作集団への変貌を図るべきです。
2050年までには、テレビ受像機でコンテンツを見る人がいなくなると私は考えています。4Kや8Kの時代が来ると言われていますが、家庭用のテレビではその効果を実感することはできません。自宅のお茶の間にテレビが置かれ、放送時間になったら家族みんなで同じ番組を見るという光景は将来的には失われていくでしょう。
こうした時代の変化に対応し、番組の作り方、編集の仕方を今から改めていかないと、この先絶対に生き残ることはできないと思うのです。
慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授
1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京ガス入社。95年ペンシルベニア大学経営大学院卒業。97年NTTドコモ入社。iモードの立ち上げに関わる。現在はドワンゴなど複数の取締役を兼任。『自分イノベーション』(総合法令出版)『「当たり前」の戦略思考』(扶桑社)など著書多数。