たけし軍団で培った「統率力」が生きた

正直に申し上げると政治の世界より「たけし軍団」のほうが大変でした。「軍団」は我の強いはぐれものの集まり。社会でダメだった人間、芸能界でも異端な芸人たちですから。言葉で説明してもわからなかったり、素行の悪い人間もいます。

僕はたけしさんの一番弟子。ダンカンと一緒に軍団をマネジメントする立場でしたけど、苦労は多かった。師匠の方針で、誰でも入団できる。一方で最低限の不文律である上下関係や礼儀作法、たけし軍団の一員としてテレビに出るわけなので、「空気を読む」ことは教えないといけない。そこでも結局は「実績を見せる」しかないわけです。とにかくライブでウケること。

ビジネスリーダーであっても、自分の覚悟と実績を見せるしかないのではないでしょうか。

東国原英夫
元宮崎県知事&元衆議院議員
1957年、宮崎県生まれ。専修大学、早稲田大学卒。ビートたけしの一番弟子。宮崎県知事時代に使った「どげんかせんといかん」は流行語大賞になった。
 
(構成=伊藤達也 撮影=門間新弥 写真=iStock.com)
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