親の試算では、1カ月の支出総額は15万9764円

●国民年金保険料:長男の国民年金は60歳まで定額納付を続けたいとの希望がありました。国民年金保険料は1カ月当たり1万6490円になります(2017年度の金額)。どうせ定額納付をするなら、まとめて前払いすることで保険料の割引を受けることができる国民年金前納割引制度を利用するとよいでしょう、とアドバイスしました。

国民年金前納割引制度は2年分の保険料をまとめて前払いする2年前納をはじめ、1年前納、6カ月前納があります。まとまったお金を払えば払うほど割引額も大きくなっています。

話し合いの結果、2年前納の口座振替を利用することになりました。2年前納をすることで、毎月納付していくよりも1万5640円お得になります。

●国民健康保険料:長男は現在父親の健康保険(健康保険の任意継続)に加入しているため、長男が保険料を負担することはありません。ひとり暮らしを始めた後、長男が世帯主になって国民健康保険に加入した場合も、無収入なので国民健康保険料はそれほど高くならないことがわかりました。このため長男は個人で国民健康保険に加入することになりました。

●新生活に必要なものについて:新しい生活を始めようとすると、何でもかんでも新しいものをそろえたくなってしまいます。その気持ちもわかりますが、そこはぐっと我慢です。生活に必要なものはできるだけ実家にあるものを持って行く、どうしても必要なものは徐々に買いそろえていく、というようにしました。例えば、パソコン、衣類、食器などは実家にあるものを持っていき、足りないものは少しずつ様子を見ながらそろえていく。洗濯はとりあえず実家ですませ、洗濯機はひとり暮らしが長続きしそうなら購入を検討する、などです。

以上のことから、長男の1カ月の生活費は次のようになりそうです。

家 賃 7万円
食 費 4万円
水道光熱費 1万円
通信費 8000円
国民年金保険料 1万5764円
(※1)
国民健康保険料 2000円
医療費 3000円
(※2)
日用品・雑費 3000円
被服費 3000円
予備費 5000円
合 計 15万9764円

※1:国民年金保険料は2年前納を利用するものとし、1カ月当たりの金額にしています。
※2:長男は自立支援医療(精神通院医療)を利用していますが、精神通院以外の医療費がかかる場合を想定しています。

引っ越しや必要最小限の日用品の購入などで十数万円程度かかると思われますが、それは母親の貯金から出すことになりました。また、役所関係の手続きやひとり暮らしを始めた後のフォローは、できるだけ母親が手伝う、ということでした。