「華々しい経歴」は単なる自慢で終わる
転職するには、まず書類選考をクリアしなければならない。中途採用の場合、応募書類の中でとりわけ採用側が重視するのが、これまでのキャリアを示す「職務経歴書」だ。
応募者にとっても、自分の能力や実績を売り込む格好のツールとなる。ところが、書類作成に手慣れているはずのシニアでも、採用担当者の“心に刺さる”職務経歴書を書けない人が目立つという。新卒で企業に入社して転職経験がないビジネスパーソンの場合、なおさら社外に向けて自己PRする機会がない。
「職務経歴書に華々しい経歴を並べ立てるシニアが多いのですが、それでは単なる自慢で終わるどころか、『うちでは満足できないのではないか』と敬遠されかねません。転職先にどんな貢献ができるのかを、具体的にわかりやすく盛り込むべきです」(谷所氏)
シニアは職歴が長いだけに、職務経歴書も冗長になりがち。多忙な採用担当者の目に留まるように2、3枚程度にまとめよう。
「職務経歴書は商品のパンフレットと同じ。ニーズに適した情報を端的に伝える能力も、問われていると考えましょう」(中谷氏)
例えば、大企業の総合職で、技術→営業→管理といった具合に職種を転々とした人は、セールスポイントが不明確になりやすい。採用側が関心を持ちそうな経歴に絞り、そこを重点的に記述するとよい。