いまここからはじまる社会変革
間もなく訪れる多死時代に、前向きに創造的に対応する「明るい孤独死」の実現は、個人が自分らしい最期について認識し、それを共有することで社会的に蓄積され、さまざまな局面で議論されることから始まる。社会としての備えは、ケアや終末期に関する啓発や教育制度づくり、ケアやサービスの整備、医療制度の機能拡充、IT活用から街全体の再編成まで、テーマは幅広く、かつ検討余地も大きい。
しかしながら、超高齢社会の先進国として、個人が最後まで納得して暮らすことができる社会の具体的なイメージが描かれているとはいえない。そうした社会の構築は、まさに今ここから始める必要がある。2025年には65歳以上の高齢者は、全人口の30%を占める。社会の仕組みを変え・定着させるには時間がかかる。残された時間はわずかであると心得るべきだ。