「五色」と「五味」を食事に取り入れて健康に
東洋医学において健康を維持するポイントは薬ではなく、休息と食事です。とはいえ、むやみに脂質や糖質を気にしながら食事をするのも楽しくありませんし、一日30品目食べましょうと言われても、いちいち数えるのも面倒くさい。
だからこそ、五行説を利用してみてはどうでしょうか。究めるほどに奥が深い東洋医学の世界ですが、まずは五色の青、赤、黄、白、黒と、五味の酸、苦、甘、辛、鹹(しえん:塩辛い)を意識してみましょう。
これまでに触れてきたように、五色、五味は五臓、五腑、五官につながり、バランスの良い食事は体のありとあらゆる箇所に活力を行きわたらせます。まさに、五臓六腑にしみわたる食事と言えます。
これも真面目に取り組もうとすると存外難しいところもあり、たとえば、肉や魚は五味の属性でいえば甘になります。肉が甘いかどうか、というところを悩み始めてしまうとせっかくの五行説もとたんに難解になってきますので、もっと手軽に取り組みましょう。大切なポイントは、食べ物には五つの色と味があると心得て、さまざまな色、味を楽しむことです。カラフルな食事、召し上がっていますか?
「五味から健康をつくる」。なるほどこれなら私も実践できそうだ、というわけで……食事の前に、ぴりりとタバスコの辛みが強めのブラディメアリー。次の一杯は苦みがたまらないビールで、続くは酸味を効かせたレモンサワーを。二軒目のバーではブランデーの甘さに親しみ、締めの一杯は塩味が絶妙なソルティードッグ。「どうだ、五味が見事にそろったぞ」とある社長さん。
これは五味ではなく、ただのちゃんぽんです。二日酔いにはご用心を。