「薬膳はマズい」は、大きな誤解
「にんげん腹八分目、残りの二分は薬だ。薬で腹が膨れるくらいだから、これがホントの薬膳」と豪語しつつ、食後に山ほどの薬を飲んでいる社長さんがおられました。70歳の誕生日も間近にひかえつつ、本当にハツラツとした社長さんの元気の源が薬だとおっしゃるのであれば、それはそれで四の五の文句をつける話ではありません。
もちろん、実際の薬膳はそういったものではありません。他方、薬膳と聞くと「良薬口に苦しと言うくらいだから、薬膳というのは体にはよいのだろうけど、どうもマズそうで気乗りがしない」と敬遠される方がいらっしゃいます。これもまた間違った解釈です。
薬膳とともによく使われる言葉で「医食同源」あるいは「薬食同源」という言葉があります。伝統を感じる言い方ですが、実は医食同源や薬食同源は中国語ではなく、1970年代の日中国交正常化から、中国式の食養生スタイルが紹介された際に生まれた造語です。東洋医学の本家、中国ではあらためて医食同源などと言う必要はなく、薬膳の文化が根付いていたと考えることもできるでしょう。
本当の薬膳とは一体どんな料理なのでしょうか。