全部まとめて「民意を問うた」と一掃する

安倍首相の親友が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる疑惑も安倍首相を悩ませている。大学設置・学校法人審議会は判断を「保留」としているが、8月3日の内閣改造から1カ月半が過ぎた今も謎は深まるばかり。

「真摯に説明責任を果たす」と語っていた首相から国民が納得する丁寧な説明はなされていない。自民党若手議員からは「これまでは野党の国会開会要求を突っぱね、首相が批判の矢面に立たないよう逃げてこられたが、今後はそうはいかない」と不安の声も上がる。

臨時国会では「森友学園」問題や自衛隊の「日報」問題と合わせて野党側が厳しい追及をするのは必至だ。安倍首相は総選挙で「加計・森友・日報問題をまとめて『民意を問うた』と一掃してしまう考え」(政府関係者)だ。

女性候補者が足りない「小池新党」

世論調査では、小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員が目指す国政版「小池新党」に期待する声が5割近くに上っている。東京都議選のように自民党への批判の受け皿に小池新党がなれば、都議会と同様に大躍進が予想されているが、小池新党の先行きは不透明だ。

小池知事の側近は「女性リーダーの印象が強い党なのに、肝心の有力女性候補者が足りておらず、人材探しに四苦八苦している」と吐露する。

民進党は9月1日の党代表選で前原誠司氏が勝利を果たし新執行部を発足させたが、その船出早々、党幹事長に内定していた山尾志桜里衆院議員のスキャンダルが発覚した。支持率は思うように上がらないばかりか、迷走する党に愛想をつかした議員が次々と離党し、混乱に陥っている。