読売社説は「最大の焦点は共産との協力」と指摘

朝日社説とは違い、読売新聞の社説は「最大の焦点は、党の基本路線を左右する、共産党との衆院選協力のあり方である」と明確に指摘する。

「保守系の前原氏は共同記者会見で、『理念、政策が合わないところとの協力はおかしい』と強調し、連携の見直しに言及した」

「リベラル系が推す枝野氏は、共闘を継続する考えを示し、『我が党が主体性を持ちながら、できることを最大限やる』と述べた」

読売社説はこのように前原氏と枝野氏の考え方の相違点を書いたうえで、次のように指摘する。

「政権を選択する衆院選で協力するなら、現実的な基本理念と政策の共有が前提だ。だが、共産党には『日米安全保障条約廃棄』など非現実的な主張が少なくない」

「民進党の政策を堅持しつつ、どう連携を進めるのか。両氏は、その道筋を明確にすべきだ」

なるほど。現実路線を行く読売社説らしい分かりやすい主張だ。

さらに「民進党は民主党時代以来、『寄り合い所帯』に甘んじてきた。共産党との共闘で、重要政策に関する意見集約は遠のいた。この歪みをどう解消するかも問われる」と指摘しており、これも肯ける。民進党はひと言で表現すると、依然として「寄り合い所帯」なのである。

責任政党として改憲論議に参加を

読売社説は中盤でさらに政治課題を挙げていく。

「憲法改正を巡り、前原氏は『安倍政権の下では反対、は国民の理解を得られない』と語り、論議に参加する意向を示した。自衛隊を明記する『加憲』が持論だ」

「枝野氏も、自衛隊根拠規定を加える私案を発表したことがある。だが、会見では、『変える必要があれば、議論を積極的に進めるが、今のところない』と述べた」

「国内外の情勢変化により、憲法は、現実との様々な乖離が生じている。民進党内にも改正論は根強い。責任政党として、改正論議には積極的に臨む必要がある」

その通りだ。野党第1党であるならばこそ、憲法の改正論議には参加するべきだと沙鴎一歩も思う。

さらに読売社説は「前原、枝野両氏が安全保障関連法を違憲と断じたのは疑問だ」とはっきりと書き、「安保関連法は最高裁判決や政府見解との整合性を維持している。仮に廃止されれば、北朝鮮情勢が緊迫する中で、日米同盟の信頼性を揺るがすのは確実である」と訴える。

いま日本にとって最大の脅威は北朝鮮である。そのことはだれも疑わないだろう。読売社説が強調するように、日米同盟の効力があるから緊迫した状況のなかでも国民が生活できるのだ。やはりこの現実を忘れてはならない。