「売る」ために保冷剤付き商品を買う妻 夫の冷ややかな目

Aさんの事例では、スイーツのチリツモ消費をしている以外にも、気になる点がある。夫婦の金銭感覚がズレている点だ。

そもそも、Aさんは贅沢スイーツに興味がなく、そこに価値を見出していない。仮に、Aさんがスイーツ好きなら、自分自身も1日仕事を頑張ったご褒美として、家族仲良くスイーツを楽しむことをムダだとは感じないだろう。

家計相談を受けているとわかるが、お金を貯められているご家庭ほど夫婦の金銭感覚にズレが少ない。貯蓄の目標や目的が明確だから、節約も苦にならないのだ。

よく男女間の「金銭感覚の一致」は、結婚相手との相性を測る上でも重要だと言われる。だが、自分と同じように浪費家ではなかったから結婚したのに、数年後、相手との金銭感覚のズレを感じる、というケースは多々ある。

▼男女間の「金銭感覚の不一致」は離婚に通じる?

SMBCコンシューマーファイナンスが、30歳~49歳の男女を対象に「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」を行ったところ、男女間(夫婦間)で金銭感覚のズレを実感することが20代の頃と比べて増えたという既婚者が72.9%にものぼった。

とくに、女性は「増えた」が78.4%で、男性(66.0%)よりも高くなっている。また、お互いの金銭感覚のズレを実感するポイントは以下の通りだった(図表参照)。

●既婚男性(妻との金銭感覚のズレを実感するポイント)
1位「ファッションや美容へのお金のかけ方」(22.1%)
2位「飲み会へのお金のかけ方」(19.5%)
3位「外食へのお金のかけ方」(19.1%)

●既婚女性(夫との金銭感覚のズレを実感するポイント)
1位「趣味へのお金のかけ方」(34.5%)
2位「外食へのお金のかけ方」(29.1%)
3位「食品や日用品へのお金のかけ方(単価の高いものを平気で買うなど)」(25.2%)

要するに、夫のホンネは 「妻のファッション・美容の金銭感覚が気になる」であり、妻のホンネは「夫の趣味の金銭感覚が気になる」ということのようだ。