なぜビニール傘が数えきれないほどあるのか?
家計に余裕がある間は、金銭感覚のズレは表面化しにくい。しかし、本格的に節約モードに入ったときに、夫婦のどちらかが家計を引き締めているのに、その一方が緩みっぱなしなのでは、家計は改善しないし、夫婦仲も険悪になる可能性がある。
夫婦といえども、生まれ育った環境や価値観が異なるのは当然。金銭感覚のズレが生じるのは仕方ないが、それを埋める努力や譲り合う精神は、夫婦生活や家計に欠かせない。
もうひとつ、ありがちなチリツモ消費の事例をご紹介しよう。
大阪府在住の会社員Bさん(37)は、ついコンビニでビニール傘を買ってしまうという。
「それなりに高い傘でも、次第にさびるし、骨組みも壊れます。だから、ビニール傘を使い捨て感覚で使っています。梅雨の時期を中心に年6回は買うでしょうか。職場の傘置き場に置いておいて、みんなで共有しているような感じです。急に、傘が必要なときは他の人のものを拝借することもある代わりに、自分の傘がなくなっても文句は言いません」
ビニ傘は必要経費と言わんばかりのBさん。購入する理由は「傘を持っていかない(携帯しない)」から。他にも、「天気予報を見て事前の準備をしなくてもいい」し、「バッグが折りたたみ傘でかさばらない」ということもあるのだという。
▼ビニ傘をコンビニで買う習慣の人はお金が貯まらない
ビニ傘は1本数百円だから「家計崩壊」の直接の原因にはならない。だがその習慣は大きな問題を発生させている。こんなふうに行き当たりばったりで、何かあったら何でもコンビニで買えばいい、という消費行動が癖になってしまい、ビニール傘以外のものも、つい割高なコンビニで買ってしまうようになるからだ。結局、コストが高くつく。
Bさんのように、利便性を重視して、コストが割高なコンビニを多用する人は多いのではないだろうか?
たしかに、コンビニは手軽だし、何でもそろっている。最近では、「おひとりさま」や高齢者世帯に対応したお菓子や食料品、惣菜なども売られている。量が少なく余って捨てることもない一方、一商品当たりの価格は高い。ついカゴに入れてしまい、いざレジの会計で総額を見て驚くこともあるだろう。