最高の教師は、かなり「いい加減」だった

通常、教師は、研究授業のように大勢が見に来る場面で、「想定外の解」を好みません。授業の流れが大きく変わってしまい、その後の収拾がつかなくなるからです。

しかし、野口先生は違いました。

う~ん、と唸って「その解の方が深い」と認めたのです。「認」という字は、「言」と「忍」。言葉をぐっとこらえて、頷くイメージです。子どもを尊敬していないと、できない反応です。

「いい教師」は、子どもの「天才性」を認めています。

親から見て、わが子に対する「リスペクト」を感じられるようであれば、それは間違いなく「いい教師」といえるでしょう。

【いい教師の特徴その3:いい教師は、いい意味でいい加減】

いい教師の特徴の3つ目は、「いい加減」さです。これは単に「だらしない」ということとは違います。そもそも「いい加減」とは「適当」のことであり、「ちょうどいい」を示すいい意味の言葉です。

だから「適当にやります」と言ったことで叱られるのはおかしくて、本来叱る側が間違えているのですが、時代の流れで誤用(解釈の取り違え)が市民権を得たのだから仕方ありません。それを上司にうっかり「それは本来間違っていますよ」などと指摘しようものなら、火に油です(はたから見ている分には面白いですが)。

こういうタイプの人は、間違っているのが自分だとわかると、さらに怒ります。なので、理不尽に叱られても、黙る方が上策。「無理が通れば道理が引っ込む」という諺は、強者の論理として真実です。

この「黙っていれば嵐は過ぎ去る」「大人が喜ぶ反応をしないと怒りはおさまらない」という認識を、多くの子どもは幼い頃から体験しているのではないでしょうか。なぜなら、世の中の大人は大抵が「子どもに対して細かい」からです(言う割に、大人自身ができているかは棚に上げているのもポイントです)。