減点主義の父兄が、教師を潰すのか?
【いい教師の特徴その4:実は「いい教師」も「悪い教師」も親が育てている】
繰り返し申し上げますが、いい教師と悪い教師というのは存在しません。ただ、「わが子にとって」どちらになるかです。
実は、どちらになるかは、「親が育てている」という面があります。
教師は、基本的に真面目です。業務は毎年雪だるま式に増え、子ども対応だけでなく親対応も困難をきわめ、精神疾患にかかる割合ナンバーワンが教師というデータが出ているこの時代に、わざわざ「教師になろう」と志す若者を想像してください。不真面目で不誠実な人が、なると思いますか?
それでも「悪い教師」というように見えてしまう理由は、何なのでしょう。
それが実は、先に挙げた「見方」なのです。特に、若手教師を潰してしまう親は、悪いところを探して指摘する傾向があります。これは私を含め複数の教師の共通した認識です。一方、若手教師を育てる親は、いいところを探して連絡帳や言葉で伝えているのです。
つまり、若手であっても、一人の人間として「尊敬」しているのです。私は幸いにも、初任校から後者の親御さんたちが圧倒的多数でした。そこで育ててもらったため、下手くそで生意気でも潰れずにここまでこられました。
親自身が、最高の教師・最低の教師を作る
いい親は、何でもかっちり自分の基準に当てはめようとしない「いい加減さ」があります。授業のうまさとか、宿題の出し方とか、あまり重要でないことにこだわりません(教師の授業のうまさはもちろん大切ですが、若手がベテランよりうまくないのは3秒考えればわかる話です。逆じゃ困ります)。
つまり、すべては親次第。
未来の日本をつくる子どもを育てる教師を、親であるあなたが育てている。ある意味、親が未来の日本をつくっているともいえます。「いい・悪い」と決めつける前に、「いいところ」を見て「尊敬」もしつつ「いい加減」に、目の前の担任の先生を見てあげて欲しいというのが、現場からの切実な願いです。
その「共に育てる」という視点が、ひいては子どもの望ましい成長につながると私は確信しています。