▼第5条「避妊は絶対」

もし女性が妊娠した場合、早めに二人で話し合ってどうすべきか判断すべきです。中絶のタイミリミットだけでなく、宿した命を奪うというデリケートな面もあります。男性はそのことを十分に考慮して女性に接するべきです。「二人で合意して行為に及んで愉しんだ結果の妊娠だし、中絶費用は自分が払ったのだから」という考えでは、女性を傷つけてしまいます。手術後は、女性となるべく一緒の時間を過ごすなど、優しく接するといった精神的なフォローは不可欠です。手術後の男性の接し方が悪ければ、女性が精神的に不安定になってトラブルに発展する可能性もありえます。

また、出産を選択しても母になる女性が未婚者か既婚者かでさまざまな障壁があり、それを乗り越えるには気力も体力も財力も必要になります。こうしたリスクを避けるためにも避妊は絶対に必要です。

▼第6条「断ち切る勇気を持つ」

やっぱり家庭が大事と思うなら、どこかの時点で不倫を終わらせる勇気も必要です。もし、身を焦がすような恋愛をしていても、どこかで冷静になってその先の人生を考えるべきです。不倫相手と別れるか、配偶者と離婚するか。どちらを選択しても、修羅場があるでしょう。それでも、どっちつかずの関係を維持しようとすればするほど、リスクは高まります。取り返しのつかない事態になる前に、思い切って「断ち切る勇気」が必要なのです。

▼第7条「もめない『終わらせ方』を習得する」

不倫関係を終わらせる時に、いちばん大切なのは「終わらせ方」です。相手を逆上させては絶対にいけませんし、傷つけて別れるのも避けるべきです。「不倫ではあったけれど、いい恋愛だった」とすっきり別れるには、不倫相手に最後まで誠実に接することです。

特に既婚者と未婚者の不倫の場合は、「未婚者側に別れを切り出させる」ことが重要です。未婚者には「家庭」という戻る場所がありません。未婚者が、既婚者に「振られた」となれば、「強い立場」の相手にいいようにされたと思い込んでしまいます。しかし相手から別れを切り出させることは容易ではありません。自然消滅を狙うのも難しいでしょう。相手の感情が高ぶっている時に、唐突に別れを切り出しては、不倫を暴露されるリスクにだってなりえます。

無難なのは、時間をかけながらフェイドアウトするという方法です。仕事を理由に会う頻度を減らしていくとか、メールの頻度を徐々に減らしていくといった方法です。いずれ終わりを迎える恋愛なら、急激に別れを告げるよりも、リスクの低い「終わらせ方」をすべきです。大切なのは、「一度は愛し合った思い出を互いに壊さないまま、自然な別れで終わらせる」こと、そして何事もなかったように元の生活に戻ることなのですから。

長谷川裕雅
東京永田町法律事務所代表。弁護士・税理士。早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社。事件記者として忙しい日々を送るなかで、弁護士になりたいと一念発起し、司法試験に合格。大手渉外法律事務所や外資法律事務所を経て独立。相続問題や危機管理などを戦略的に解決できる専門家として活躍。著書に『磯野家の相続』(すばる舎)などがある。
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