トランプが36年ぶりに出席した大会に潜入!

2017年1月20日にトランプ政権が発足して約2カ月超が経過した。大統領就任当初からトランプは矢継ぎ早に大統領令・大統領覚書を連発しており、大統領選挙時の公約を様々な物議を醸しつつも実行に移してきた。強引にも見えるトランプ政権の動きの背景には共和党保守派から政策実現に向けた強いプレッシャーが存在している。

トランプは17年2月24日にCPACに現役大統領として36年ぶりに参加した。ワシントン郊外ナショナルハーバーのホテルを事実上貸し切って行われるCPACでは全米から約1万人の保守派の草の根運動のリーダーが集結し、当該年度における保守派の関心事項に関する講演などが行われる。近年、CPACでは大統領および副大統領に相応しい人物を選ぶ保守派リーダーらによる信任投票が行われてきたことから、共和党内の大統領予備選挙の帰趨を占う重要なイベントとして注目されてきた。大手メディアからの注目度も高く、本年もメイン会場での登壇者の発言が大々的に報道されていた。大統領のCPACへの出席は保守派の大統領として知られたレーガン大統領以来の出来事であり、トランプ大統領の共和党保守派への特別な配慮を象徴するものであった。

CPACメイン会場で共和党保守派リーダーに向けて演説をするトランプ大統領。(AFLO=写真)

米国の政治を理解するためには共和党・民主党の二大政党の対立もさることながら、共和党内における保守派と主流派の派閥争いの構図を理解することが必要になってくる。

そして、16年の大統領選挙は、民主党政権から共和党政権への政権交代であっただけでなく、共和党内部における政治的な主導権が主流派から保守派に移った二重の政権交代劇であったということを認識しなくてはならない。