40、50代から「定年後の仕事」を探す

4つの動物のどれかに、完全にあてはまるとは限りません。くま系ねこタイプ、など2つ以上にあてはまることもあります。

自分のタイプと今の仕事は合っていますでしょうか。

たとえば、本来はチームプレイが好きでおっとりした「いぬ」タイプの人が、ひとりでパソコンに向かってコツコツ根気のいる作業をしているとしたら(ねずみタイプの人が向いているような)、仕事をしている間は自分の本来の性格を矯正しながら頑張っているのかもしれません。

ちなみに私は「ねこ」タイプです。

団体行動が苦手なので、会社には勤めず、ひとりで仕事をしています。決断は早い方ですが、くま(経営者)タイプでもありませんので、人をまとめるのは不得意です。

▼自分の隠れた強みや好きなことを把握

65歳以降の仕事は年金を受給できるので、賃金にこだわる必要はない場合が多いでしょう。自分のタイプにあった(自分の個性を発揮できるような)仕事を選ぶとより楽しい老後を送れるのではないでしょうか。

いい年して、あくせく働きたくない。そんな向きも少なくないでしょう。

ただ、退職後にやることもなく家にいると、無気力になってしまい、心身ともに調子が悪くなってしまうケースもあるようです。体や頭を動かすことで健康を維持しやすくなりますし、周りの人とのつながりも生まれます。自宅で資産運用をして運用益を目指すという人もいるでしょうが、やはり運動不足や人とのつながりの面において不安が残ります。

そう考えていくと、40、50代のうちから、自分が好きなこと、得意なことは何だろう、と考える時間を持ったり、そのためにいろいろなチャレンジをしてみたりするといいのではないかと思います。

たとえば「大好きで得意なことだけれど、あまりお金にならないこと」が見つかったらチャンスかもしれません。儲からない分、競争が少ない可能性があります。

1回の仕事で得られる収入は少なくても、積み重ねていくことで月々の赤字を埋められるような年収になるかもしれません。

また、自分の強みは、自分ではなかなか気づきにくいものです。

40~50代のうちからいろいろな人、特に、社外の人と付き合うと良いかもしれません(勤め先の常識は社外では非常識、なんてこともありえます)。できるだけ大きな視点に立って、考えてみましょう。

なお、私の最新著『定年男子定年女子』(経済コラムニストの大江英樹氏との共著)には、本記事で触れた内容を含め、定年後に向けての経済的・メンタル的な「準備」のしかたを説明しています。よろしければご一読ください。

(瀧 健=執筆協力)
関連記事
「老後の備えは300万の定期預金で十分」のワケ
定年後、再雇用される人、捨てられる人
定年後、役に立つ資格ベスト7
「老親に貯蓄・年金なし」介護の呪縛家計を改善
コレだけは削れない「家計の聖域」は案外削れる