ハガティ氏の経歴は、米国のベスト&ブライテスト、実に華やかなものである。ジョージ・H・W・ブッシュ政権時代に国際通商問題などを担当し、副大統領に対するレポーティングを行うホワイトハウスのメンバーとして活躍する。

その後はシリコンバレーと関わりを持つようになり、投資会社を創業した。直接的に経営に参画するハンズオン型投資によって数々の企業をイグジットまで導くリーダーシップを発揮した。現在でも保険会社、金融機関、ホテルグループなどの経営に参画し、マルチな活躍を行っている。

学業面でも、難関校の一つであるヴァンダービルト大学で優秀な成績を修め、ロースクール時代にはロー・レビューを起草している。まさに米国が誇る最強のエリート・ビジネスマンがトランプ政権の駐日大使として送り込まれると言えるだろう。

日本の報道ではハガティ氏のファーストキャリアであるボストン コンサルティング グループ勤務時代に、3年ほど日本に居住していたことから知日派として紹介されることが多い。実は、ハガティ氏と日本の関係はそれだけではない。

ハガティ氏が経営する投資会社のオフィスが存在するテネシー州は海外からの直接投資の受け入れに積極的である。ハガティ氏はテネシー州知事の下で経済開発に関する責任者として活躍し、日本からの投資を取りまとめた実績を持っている。同州への投資国1位は日本だ。具体的には日産、ブリヂストン、カルソニックカンセイなどの名立たる日本企業が工場を有している。

テネシー州からはボブ・コーカー上院外交委員長や、議会日本研究グループのマーシャ・ブラックバーン下院議員も政権移行チームのメンバーに参画している。ハガティ氏が持つ人脈は様々な局面で日本外交の鍵となることが予測される。

トランプ大統領は多国間協定であるTPPに否定的な発言を繰り返しているが、2国間の通商交渉については積極的な姿勢を示している。商務省、米国通商代表部、新設の国家通商会議で東アジアに強い閣僚人事が行われた。トランプ政権の実力者が、アメリカファーストで「稼げるだけ稼ぐ交渉」を日本政府にしてくるだろう。

(時事通信フォト=写真)
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