清涼飲料を消費するロケーションといえば、家庭、オフィス、そして通勤・通学途中に大別される。
とりわけ、若い人たちは移動中に飲むことに抵抗が少ないから自販機との相性はいい。ただし、そこにはコンビニというライバルがいる。けれども、路面だけでなくインドアも拡充することで、勝機を掴むことができるはずだ。コンビニの売りは「近くて便利」だが、自販機は間違いなくその上を行く。ここに当社の優位性があるといっていい。
いま日本や先進国では、清涼飲料のトレンドが無糖、微糖にシフトしている。そこで当社は「避糖化」をキーワードに商品ポートフォリオの構成で健康に資する飲料の比率を高めた。その代表格こそ特茶だ。かつて、ウーロン茶で無糖飲料分野に先駆けたサントリーに一日の長がある。
こうした当社の商品特性をいかに訴求していくか。私はこれまでの経験上、マーケティングで重要なのは、消費者サイドに立って伝えていくことだと信じている。清涼飲料は老若男女が飲むもの。それぞれに合わせた多彩なカテゴリーで勝負したい。
1954年、大阪府生まれ。77年京都大学法学部卒、サントリー(現サントリースピリッツ)入社。2009年サントリーホールディングス執行役員、11年サントリー食品インターナショナル専務、12年副社長。16年より現職。