“人間関係の悩みをほぐす”禅語

【心無別法(しんげむべっぽう)】

穏やかに過ごすのも、すさんでしまうのも、すべては「心の持ち方ひとつ」です。ものごとに対し悲観的、否定的、消極的にならないように心がけましょう。

【本来空寂(ほんらいくうじゃく)】

人は誰しも一人で生まれ、一人で死んでいく孤独なもの。孤独だから考えが深まり、他人に優しくなれるのです。優しさを求める前に、相手に優しく接してみましょう。

【無心風来吹(むしんにかぜきたりふく)】

夏の暑い日に吹くそよ風は、我々に一時の涼を与えますが、風は涼しくしてあげようと思って吹いているわけではありません。見返りを求めて行動していませんか。

【悟無好悪(さとればこうおなし)】

とかく評判にとらわれてしまいがちですが、先入観を取り払い、相手のよい部分も悪い部分もあるがままの姿を認めると、好き嫌いは自然となくなるものです。

【和顔愛語(わげんあいご)】

いつも笑顔で、穏やかな言葉遣いを心がける。お互いにそう心がけていれば、気持ちは自然と和らいでくるものです。嫌なことがあっても「笑顔で挨拶」です。

【受身捨身(じゅしんしゃしん)】

「身を受ける」つまりこの世に生まれてきたのは無数の因縁が結ばれた結果です。目に見えない数多くの人の支えに感謝し、他人や自然に尽くしましょう。

【把手共行(はしゅきょうこう)】

人生は一人旅ですが、一人で生きていくことはできません。しかし、友達は多いほうがいいというのは現代社会の幻想です。互いに尊敬し、信頼できる友達は数の問題ではありません。

【白雲抱幽石(はくうんゆうせきをいだく)】

唐代の僧・寒山が世間との関わりを断ち、一人静かに隠遁生活をした風情を表現したものです。時には一人で過ごす機会をつくり、自分自身を見つめる時間を持つことも大切です。

【莫妄想(まくもうぞう)】

禅語の妄想とは、優劣、愛憎、貧富といった二元論にとらわれる心のあり方をいいます。人と比較して考えるのではなく、ありのままを受け止めることです。

(構成=遠藤 成 写真=若杉憲司)
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