セブン思考なら――担当商品のことを考え続ける
一方、セブン-イレブンの鎌田氏は、「上に立つものこそオンとオフのけじめをつけなきゃダメ」と考える。
「昔は土曜も会社に出ていました。日曜に家にいると、2歳の息子は『この人、誰だろう』と思っていたそうです。でも、本部長になってからは東日本大震災があったとき以外、休日出勤をきっぱりやめました。というのも、上司が休日出勤すると、部下もそうしなければいけない空気が生まれてしまうから。社員がしっかり休めるように、上司は率先して休むべきです」
ただし、オフで体を休めても、頭のスイッチは切ってはいけない。
「商品開発の担当者には、寝ても覚めても24時間、自分の担当商品のことを考え続けろと言っています。アイデアがふとした瞬間に突然降ってくることがありますが、それは普段から仕事のことを考え続けていたから。それはオフのときも例外ではありません」
また、オフはお客様の立場になれる貴重な機会でもある。
「一人の生活者として街を歩くと、いろいろな発見があります。たとえばある商品を見て、家族4人でこの量は多いと感じるかもしれないし、最近はこうした色づかいが人気なのかと気づくかもしれません。こうした実感は、休日出勤して机の前にへばりつくほど遠くなっていきます。その意味でもオフはしっかり取る必要があります」
オフを活用して家族と街に出れば、家族との関係がよくなり、生活者としての経験を仕事に活かせるようにもなる。一石二鳥の戦略だ。
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
セブン-イレブン・ジャパン取締役常務執行役員商品本部長。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。