答えと解説

Q1 正解⇒【A】心を鬼にして禁煙令を敷いた。
「心を鬼にして」は相手のことを気の毒に思いながらも、その人のためを思ってあえて厳しくするという意味。自分については使わない。

Q2 正解⇒【A】こんなところで会うなんて奇遇ですね。
「奇遇」は思いがけなく出会うこと。「遇」は「遭遇」の「遇」。「偶然」の「偶」と取り違え「奇妙な偶然」の意で使う誤用が増えている。

Q3 正解⇒【B】相手に気付かれないよう、やおら立ち上がった。
「やおら」は、静かにゆっくりと動作を始める様子を指す。「やわら(柔ら)」に通じるやわらかな態度のこと。急に、がばっと、の意ではない。

Q4 正解⇒【B】したり顔で目標達成を報告する。
「したり顔」は、思い通りに事が進み、「してやったり」と言わんばかりの得意そうな顔つきを示す。「知ったかぶり」「訳知り顔」とは違う。

Q5 正解⇒【A】紅葉狩りに最適な小春日和。
「小春」は、陰暦10月の異称。穏やかで春に似た日和が続く晩秋から初冬のころを指す。俳句では冬の季語。春と言っても春ではない。

Q6 正解⇒【A】自らの不手際により契約を逃し、忸怩たるものがある。
「忸怩」とは、自分の行いについて、心のうちで深く恥じ入るさまを言う。他人の心をうかがって「忸怩」などと決めつけられるものではない。

Q7 正解⇒【A】この仕事はベテランの部長には役不足です。
本人の力量に対して役目が軽すぎるのが「役不足」。逆に、役目のほうが重すぎると謙遜して言いたいならば「力不足」を使えばよい。

Q8 正解⇒【A】さわりを聞いて、深い感銘を受けた。
義太夫節の曲中で、最も盛り上がった個所を「さわり」と言った。そこから、話や、音楽などの印象的・感動的な部分を指すようになったもの。

Q9 正解⇒【A】田中氏は経理部長、営業部長、管理部長を歴任した。
「歴任」は、ある人物が次々に種々の役職に任命され、務めてきたことを言う。一つの役職について、歴代の面々を並べる場合には使わない。

Q10 正解⇒【A】麦秋の候、今年も春の運動会を開催する運びとなりました。
麦秋は陰暦4月の異称。麦の刈り入れをする初夏を指す言葉。「麦の秋」とも言う。この「秋」は季節ではなく、「収穫期」の意味。

(関根健一=監修 曲沼美恵=文・構成 大森大祐=撮影)
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