そう語る古川氏が優先順位をよりスマートにつくることができるツールだと提唱するのが付箋だ。

「To Doリストをノートに個条書きしても、優先順位はわかりづらい。しかも突発的なことでしばしば優先順位は変更されます。そんなとき、付箋1枚に1つの仕事を書き込む形式にすれば、何かあっても貼り付け直して順位を入れ替えればいい。書き直す手間も省けます」

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付箋を使って優先順位を考える/スケジューリングも付箋にしたほうが便利

この付箋を、マトリクスと組み合わせるとさらに便利だという。「ノートに、縦軸と横軸でマトリクスを作成して、付箋を該当するスペースに貼り付けます。軸は、“納期(緊急度)”ד重要度”が基本ですが、“完了するまでの所要時間”ד自己コントロール度(上司や部下との関わり度)”など、自分に合った軸を決めるといいでしょう。マトリクス化することで、視覚的に仕事の優先度が理解でき、どの仕事から手をつければいいかわからずに戸惑う非生産的な時間がなくなります。この付箋メソッドは日々のスケジュールだけでなく、週単位、月単位でもいえることです」(図参照)

最後にもうひとつ。1日を振り返る時間をつくってみよう。

「帰宅の電車で、その日の仕事を振り返り、仕事の仕方やスケジュールの組み方などを反省することも時間の使い方が上達するいい訓練です」(古川氏)

弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人 佐藤孝幸(さとう・たかゆき)
早稲田大学卒業後、外資系銀行に就職。その後、米国大手会計事務所に就職するために渡米。2年間の独学で弁護士試験を1発でクリア。著書に『「要領がいい」と言われる人の、仕事と勉強を両立させる時間術』。
習慣化コンサルタント 古川武士(ふるかわ・たけし)
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。オリジナルの習慣化理論・技術を確立。著書に『力の抜きどころ』など。プレジデント・オンラインで月2回「得する習慣、損する習慣」連載中。
(構成=遠藤 成、大塚常好)
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