部下への指示はどうあるべきか。これは部下の立場で考えてみればいい。あなたはどんな上司に悩まされてきただろうか。私の場合、「言うことがいつも違う上司」と「話の内容があいまいでわかりづらい上司」が頭に浮かぶ。このため、私はわかりやすい言葉で伝えるように努力してきた。言葉がシンプルであれば、話の軸がぶれてしまう恐れは少ないからだ。

カルビー 会長兼CEO
松本 晃
(まつもと・あきら) 1947年生まれ。72年京都大学農学部修士課程修了、伊藤忠商事入社。93年ジョンソン・エンド・ジョンソン入社、社長などを歴任。2009年より現職。

その点で私が大きな影響を受けたのが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)の「Our Credo(我が信条)」という考え方である。

1943年にJ&Jの3代目社長が、株式公開を前に会社の社会的責任について記したもので、英文でわずか30行、A4用紙1枚の文書だ。この中では4つのステークホルダー(利害関係者)に対する責任が具体的に明示されている。特徴的なのはその順番だ。第1位が顧客、第2位が社員、第3位が地域社会、第4位が株主と書かれているからだ。