一例として、東京都に隣接する埼玉県朝霞市の入院患者数の変化を推計したのが上の表だ。肺炎などの呼吸器系の病気、脳卒中が最も増えるのは台東区と同じだが、その伸びは急激で、30年には10年に比べて肺炎が82%増、脳卒中が74%増になると推計される。心筋梗塞など心臓病も61%増加する見通しだ。
「高齢者の肺炎を急性期病院の救急部門で一手に引き受けて治療することは今後難しく、在宅、高齢者介護施設などでも肺炎治療ができるようにしていく必要があります。不便な団地から、在宅ケアが整っている地域に移り住むという選択肢もあるかもしれません」と産業医科大学公衆衛生学教室の松田晋哉教授は話す。
ベッドタウンの中で、埼玉県和光市、千葉県の柏市、船橋市などは、早くから在宅ケア対策を進めている。ただ、急性期医療は不足しているので、その受け皿をどうするかが課題だ。
出所:「二次医療圏データベース」「AJAPAシステム」(入院患者数)