仕事編▼一番多く不満をためこむのは、どの役職か
▽出世できない人は何が足りないか
仕事に対してどんな意識を持って取り組んでいるのか。結果を見ていくと、もっとも仕事に対して自信がなく(1)、働きがいを感じず(2)、出世に後ろ向き(3)で、転職したがっている(4)のは、職位が低い一般社員であることが判明した。逆に、ほぼ職位に比例して働きがいは高くなり、満足度も上がっていく。
「『仕事が嫌だな』と感じている人が会社に着いた途端スーパーマンになることはありません。つまり、やる気があるから出世できるし、出世すれば他人から自分の仕事ぶりで感謝されることも増えるから、やりがいを感じられる。頑張って働けば給料だって増えるでしょう。卵が先か鶏が先かという話になるかもしれませんが、単純に言えばそういう仕組みです。これはいつの時代も変わりません」
実際にストレスが多そうな管理職よりも、職位が低い一般社員クラスのほうが不満が多い(5)のも、仕組みとしてはほぼ同じだという。
「職位が上がれば自由度が上がるから、不満が減るのは当然です。ただし、不満を糧にできる人でないと、そこから先の出世は望めません。そもそも、不満がない場所なんてどこにもないんです。それを他人のせいにせず、ストレスとして抱え込むのでもなく、自分の力でどう解決していくかという方向に面白みを見いだせた人は、仕事も楽しくなるし出世もできる。管理職以上になる人には、ある程度不満を糧にする力があるということでしょう」(小宮氏)
だが、実践するのはなかなか難しい。小宮氏はこう助言する。
「私が思うに、会社が社員に与えられる幸せには2種類あって、まず1つ目が『働きがい』。2つ目が『給料』です。でも、その順番を間違えると『金の切れ目が縁の切れ目』的な荒んだ会社になってしまうから、経営者は気をつけなくてはいけません。いっぽう、社員の立場なら、異動や上司、昇進など『そのとき自分でコントロールできないことに悩まない』というのが、ビジネスマン人生を全うするための唯一のコツです。それさえ頭に入れておけば、ずいぶん楽に生きられますよ」