16年の景気はこうなる

この日本の現状を如実に表すのが、お小遣いの額(4)だろう。前年と比べて「同じ」という人が大半を占めるものの、次に続くのは「減少」である。そして、6年前(5)と比べると、全世代で減少傾向にあることがわかる。それでも、月11万円以上のお小遣いをもらっている人の割合には、そこまで大きな変化はない。

「昔に比べて、特に若い人がお金を使わない傾向にあるので、単なる締め付けとはいえないかもしれません。ですが、やはりリーマンショックで一旦お小遣いの額が減らされて、そこから上がっていかない人が多いのでしょう。ここ数年の景気の影響で多少年収が上がっていても、今後消費税は上がるし、社会保険料も上がる。

そうなると、将来への潜在的な不安感を抱えて、なかなか『お給料が上がったからお父さんのお小遣いも上げよう』とは思えないんでしょうね」(八ツ井氏)

消費税が10%になったら節約したい分野(3)でも、外食、交際費がまず候補に挙がっている。大幅なベースアップでもない限り、16年も「お父さん」の懐具合は寂しいようだ。

「お金編」の最後に、16年の日本の景気を占う意味で、日経平均株価予想(8)について聞いてみよう。結果は、1位が2万~2万1999円、2位が1万8000~1万9999円と、現状維持、もしくは上がるというポジティブな予想が目立った。為替相場の予想(9)についてもそれは同じだ。この結果をどう見ればいいのか。経営コンサルタントの小宮一慶氏は語る。

「市場が上がり調子のときは『もっと上がる』と感じて、下がり調子のときは『もう少し下がる』と感じるのが多くの人の心理。とはいえ、この結果は妥当なところで、実際にも2万円前後になると思います。ただし、15年12月16日にアメリカの利上げが決定したため、もう少し円安の方向に動く可能性が高く、その段階で新興国の経済が安定していれば、16年前半に2万2000~2万4000円まで日経平均が上がる可能性もあるでしょう」

今から急いで株を買い足して「儲かった」という結果が得られるほどではないかもしれないが、16年の日本経済は明るいようだ。