新制度にある“穴”とは?
新制度で派遣利用企業は法的リスクが高まるが、派遣労働者側からは効果を疑問視する声もあがっている。
「この制度が適用されても、派遣労働者が正社員になれるとはかぎりません。違反した派遣先に求められているのは派遣労働者を直接雇用することだけで、契約期間等は、派遣会社との契約内容によります。有期雇用の派遣労働者は、直接雇用されても雇い止めのリスクも高いのです」
派遣利用企業の対応に不満でも、行政が介入して労働契約を結ばせることは難しい。話がこじれれば裁判となるが、訴訟は派遣労働者にとってハードルが高く、泣き寝入りにつながりかねない。
みなし制度は違法派遣の撲滅に向けて一歩前進といえるが、穴も多い印象。実際にどのような問題が起きるのか、引き続き注目が必要だ。