必要なものしか買わないといっても、彼らは欲しいものを我慢して倹約に努めているわけではないようです。いかに自分の資産(お金)を減らさずに、生活を豊かにしていけるかという発想なので、買い物も計画的。必要なもので少し値の張るものになると、買う時期を見計らったり、どのようなつてを頼れば安く買えるかといったことを、よく家族ぐるみで話し合ったりもします。
彼らの普段の生活は質素でした。元夫の両親は資産家でしたが、自宅は豪邸というほどではなく、義父などはランニングに短パン姿が普段着。しかし、家族の絆を大切にする彼らは、皆が集まるときには、惜しげもなくお金を出してくれます。相当の出費だったであろう滞在型の海外旅行にも、義理の両親は子ども夫婦を招待してくれました。
私は、そんなユダヤ人流の価値観に共感を覚えました。夫と離婚後は、彼らと暮らして身につけた倹約法を実践することで、少しずつお金が貯まるようになりました。フリーの特許翻訳者として独立して数年後、不動産投資で初めて購入した物件は440万円のワンルームマンションでしたが、それを現金で支払えるまでになっていました。
倹約しても続かない、お金がなかなか貯まらないという人には、買い物をするときに「本当にそれを買うべきか」と、自分に問いかけてみることをお勧めします。欲しくて必要なものであっても、財布を開く前に「今、買わなければダメか」と考えてみましょう。
私は、少し値の張るものを買うときは、1年ほど前から計画して、セールの出物を探します。計画性に加え、安く買える方法をたくさん知っていれば、よいものを安く買えます。節約できたお金は自分が大事だと思うものに使えますから、苦痛は感じません。
東京都出身。短大卒業後、外資系メーカー、シティバンクを経て現職。イスラエル国籍の夫と10年間の結婚生活。主著に『貧困OLから資産6億をつかんだ「金持ち母さん」の方法』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』。