もちろん情報収集も行う。だが、日本の朝のニュースは見ないほうがよい。朝の時点で放送されるニュースは昨日のものだからである。リクシルの藤森社長が言っていたことだが、日経新聞はもちろん読むが、それだけでは遅い、というのだ。日本の朝刊は海外ニュースに弱い。夕刊であれば市場の動きも入ってくるが、情報化社会では後れをとってしまう。つまり、朝の海外のニュースにこそ目を向けるべきなのだ。スマホが相当浸透している現在であるから、ビジネスマンはブルームバーグのニュースを聞けばよい。無料で視聴できるにもかかわらず上質なニュースソースとなる。
日経新聞は熟読するのではなく見出しだけ確認し、あとは海外のニュースを仕入れるのだ。ほかには通勤中にメールチェックを一通り済ませておくのもいいだろう。少し変わったところでは、これもとある社長の話だが、通勤中にエッセイ集を読む、というのもある。小説と違い、エッセイは短時間で読み終えることができるという利点がある。しかしそれだけではない。エッセイの内容そのものではなく、著者の視点を学ぶことで、それを1日の仕事に生かそうということであった。これには私も感心させられたのを覚えている。
1971年生まれ。東洋経済新報社記者を経て、コンデナスト・ジャパンへ。「GQ」の編集者としてビジネス記事を担当。著書に『やはり、肉好きな男は出世する』。
1984年、日本IBM入社。2013年、独立。多摩大学大学院・客員教授。著書に『100円のコーラを1000円で売る方法 1~3』『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』。