3回目の「貯め時」が消滅

問題はここから。

子供がいる家計で「貯め時」にお金が貯まっていないとしたら、どうしたらいいのでしょうか。将来の「使い時」への準備ができていないということです。

おもな対応策は3つです。

・収入を増やす
・教育費を下げる
・教育費以外の支出を削る

これでも対応しきれない場合、

・お金を借りる 
・奨学金を受ける

といったことが検討されます。

ここで、あることにお気づきでしょうか。

これらの対策には、通常の他の費目であれば当然にあるべき対策が1つ欠けています。ヒントは、教育費は待ったナシであること。

例えば、家を買いたいけれども、思うように頭金が貯まっていないとしたら、家の購入価格を下げることなどの他に、頭金を貯めるために「買う時期」を後ろにずらして時間を稼ぐのも一案です。

▼晩婚家庭は定年まで教育費かさむ

しかしながら、子供の成長は止まりません。教育費の場合、「時期をずらす」選択肢はないのです。否応なく「使い時」はやってきます。

この点を前向きに捉えれば、子供が何年後に何年生になるのかも事前に分かるわけですから、前もって計画的に資金準備しやすい費目ともいえます。

最近では晩婚の夫婦が増え、3回目の「貯め時(子供が独立してリタイアするまで)」が消滅してしまうケースも見受けられるようになりました。

子供の独立を大学卒業の22歳とし、親のリタイア時期を60歳とするならば、単純計算38歳以降に子供をもうければ、3回目の「貯め時」は事実上なくなってしまいます。

いずれにしても、(1)(2)の「貯め時」を逸してしまい、貯蓄が思うように貯まっていないとしても、教育費が必要になる時期は待ってくれません。そこを乗り切るためには、何らかの方法でお金を捻出する必要があります。さきほどの対応策をミックスさせて対応するのが通常でしょう。