円高なら元本はドルで受け取り
次に二重通貨預金だが、M銀行の場合、判定日のドル円の為替相場が予約相場よりも円高になっていると、元金がドルで戻る仕組みをとっている。それを図解したものが別図だ。
金利2.0%・3カ月満期で元金100万円を預け入れたときの相場が1ドル=100円とする。予約相場は同99円だ。もし判定日の相場が1ドル=101円50銭という円安水準なら、元金100万円とともに、「100万円×0.02×0.25×0.8=4000円」の税引き後の金利が戻る。
しかし、判定日の相場が円高に振れて1ドル=98円になっていたら、元金の100万円は予約相場のレートで換算された1万101.01ドルで戻ってくる。満期日の相場も同じ1ドル=98円だとして円に変えようとすると、1ドル当たり1円の手数料を取られた1ドル=97円で売らなくてはならず、元金は約97万9798円に目減りする。金利の4000円を合わせても約98万3798円にしかならない。
やはり年2.0%が魅力的に思えるかもしれないが、3カ月満期では実質0.5%。最近では1週間で為替相場が2~3円動くこともざらにある。リスクのわりには、リターンが低い商品なのだ。
先の永野さんも「3カ月で円高になるわけがない、と確信して運用するもの。もし本当にそう思うのなら、より大きなリターンが期待できる外貨預金かFX(外国為替証拠金取引)を選んだほうがいい」という。
※すべて雑誌掲載当時