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「海外生活経験あり」「関心あり」は6割に達する

日本からの留学生が増えたため、最近ではスイス国内の寄宿学校11校が東京都内で合同説明会を開くようになっている。各校の年間の学費は400万~1000万円。日本でいう小学校から高校までの課程があり、日本人留学生は中学校からの入学者が多いという。

かつては富裕層といっても国内の私立学校やインターナショナル・スクールへ通わせる例が目立つくらいで、教育に関してはさほどのバリエーションがあるわけではなかった。しかし現在は、かなり選択肢が広がっている。

「世界に目を向けると、富裕層向けの教育サービスはたいへん多い。国際的な教育を受けることが将来の成功にどこまでつながるかはわかりませんが、これからは資産階層に応じて教育機会の格差が開いてくるかもしれません」と東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授はいう。

超富裕層の場合、学校教育だけではなく、仕事を通じた後継者教育も大きな意味を持っている。NRIの宮本氏によれば、次のような特色があるという。

「日本の場合、伝統的な大地主や財閥は、敗戦時の施策で力を弱められてしまいました。したがって現在の超富裕層は、戦後創業の人たちがたいへん多い。この人たちは『創業経験』を大事にしています。すると、子弟に事業を継がせるにしても、子会社をゼロから立ち上げさせるとか、海外事業を担当させるといった経験をまず積ませようとするのです」

【アドバイザー】
野村総合研究所 上席コンサルタント 宮本弘之(みやもと・ひろゆき)
東京工業大学大学院理工学研究科修了。金融コンサルティング部長。著書に『プライベートバンキング戦略』(米村氏との共著)などがある。

東京大学大学院 経済学研究科教授 柳川範之(やながわ・のりゆき)
東京大学大学院博士課程修了(博士号取得)。研究分野は金融契約、法と経済学。著書に『日本成長戦略 40歳定年制』などがある。
(武内正樹、永井 浩=撮影)
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