だが、素人にその判断は難しい。そこで活用したいのが、「ホームインスペクション(住宅診断)」だ。
これは、住宅に精通した住宅診断士が、公正な立場で住宅の劣化状況や欠陥の有無を調べ、改修すべき部分とその時期、おおよその費用についてアドバイスする業務のことで、費用は1回5万円ほどになる。高いと思うかもしれないが、欠陥が見つかった場合の再工事費を考えれば、それほど高額ではないはずだ。引き渡し前からあったと考えられる瑕疵(不具合)は当然保証されると思いがちだが、適用期間は不動産会社が売り主の場合でも、多くは基本2年間。それ以降に発覚した場合、契約内容により補修費がすべて個人負担となる。
また、手付金を払った後に欠陥が見つかり契約解除を申し出た場合でも、売り主側に明確な過失があると証明できなければ、返還を渋られるケースが多い。手付金は物件価格の5~10%くらいが相場なので、契約を解除すれば数十万円から多いときで数百万円をドブに捨てることになる。
欠陥を見逃すと、将来売却する際の査定にも影響する可能性はある。潜在的な出費リスクを回避し、物件の資産価値を守るためにも、リスクは早めに取り除いておくことをお勧めする。