このままでは日本企業は生き残れない
筆者は人事コンサルティング業界を頻繁に取材するが、コンサルタントが様々な機会を通じ、盛んに学歴をアピールする姿をよく見かける。それは、他の職種のコンサルタントよりも目立つ。
林氏は、「システムコンサルタントは、学歴をそれほど見せようとしない。人事コンサルタントは、学歴を誇示する傾向がある」と言い、こう分析する。
「前者はチームで仕事を請け負う。後者は、個人として対応している。人事コンサルタントの世界では、ひとりのコンサルタントが何かのきっかけで名を知られる。それを機に“先生”として認められ、仕事が増えていく。
そのようなコンサルタントの多くは、早いうちに消えていく。すると、コンサルティング会社は業績も悪くなる。つまりは、業界として発展しない。ある意味で、システムコンサルティングと比べると、遅れているのでしょう」
人事の扱いに不満を感じ、くすぶる社員が学歴を持ち出す姿勢には、クールな視線を送る。
「その人たちも、かつてはチャンスがあったのでしょうね。しかし、それを生かすことができなかった。それでも、会社に残ることができる。年功序列という、平和的な社会を作ってきたから、余剰人員とも呼べる人たちが一定数残るのでしょう。今のままでは厳しいグローバル化の中、日本企業は生き残れないと思いますね……」