市場全体が好調なときには、指数に連動するインデックス型でも投資効果は得られるが、立ち直りの早い銘柄と時間がかかる銘柄、果ては市場からの退場を余儀なくされる銘柄までもが混在する相場状況では、銘柄選択が重要な鍵を握る。今こそ銘柄選択のノウハウを活用すべきときというわけだ。

また投資信託では、多くの銀行、一部のネット証券で積み立て購入もできる。毎月一定の額で買えるだけの口数が買い付けられるため、安いときには多くの口数を取得できる。当然、保有口数が積み上がっているほど、株価上昇時に得られるリターンも大きくなる。積み立て購入を始めるには適した時期といえるだろう。個別銘柄に投資する場合も、投資信託を活用する場合も、基本は長期保有。今回の金融危機では、新興国の株式も大きな打撃を受けた。しかし将来的な人口増などを考えれば、内需拡大の可能性を秘めた新興国は長期スタンスで考えたい投資対象であることに変わりない。市場が未成熟な分、変動幅は大きく、回復にも時間はかかりそうだが、リスクがとれるのであれば、数年以上のスタンスでBRICs諸国を狙うのも悪くない。

外貨と外債については、利下げが続いている間は手控えたほうが無難。金融絡みの会合のたびに利下げが行われるのではなく、利下げの頻度が落ち着き、金利推移を表すグラフの踊り場が長くなってきたときに検討すれば十分だろう。

リート(不動産投資信託)も内外ともこの冬のボーナスでは様子見。投機資金が引き揚げられたコモディティ(商品)も、積極的に考える必要性は低いだろう。

では、タンス預金はどうか。円高で輸入品には値下がりも見られるが、電気料金など、値上がりが続いているものもある。タンス預金だと実質的なお金の価値は目減りするので避けたいところだ。

(高橋晴美=構成)