12年2月、AIJ投資顧問が企業年金の預かり金2000億円を消失させたとして大きく報道された。同社に運用を委託していた企業年金は124。そのほとんどが厚生年金基金であり、「福岡県・佐賀県トラック厚生年金基金」など、すでに解散を発表しているところもある。厚生労働省は、厚生年金基金制度そのものを廃止の方向で検討する方針を発表した。
「低金利時代に運用リスクを負うのは企業にとって重荷です。今後401kの普及が加速するでしょう」(山崎氏)
401kの場合、たとえ倒産しても、自己都合で退職しても、その資産はすべて保護されるが、赤字か黒字かは社員の腕次第だ。山崎氏におすすめの運用プランを聞いた。
「中長期で成長が見込める商品を選ぶのが基本。投資初心者なら投資信託を2~4割程度にし、経験値を積みましょう」
12年から、401kの「マッチング拠出」もスタートした。会社からの拠出額に加えて社員自身が掛け金を拠出できる制度で、大きな節税メリットが受けられる(図のシミュレーションを参考)。「会社が制度を導入しているなら、迷わず活用」(山崎氏)しよう。
ファイナンシャル・プランナー、1級DCプランナー。企業年金研究所などを経て、2001年に独立。著書に『お金の知恵は45歳までに身につけなさい』。