ヤンキース移籍への本心は?(Getty Images=写真)

写真を見ていただきたい。これは、ご存じイチロー選手がインタビューを受けている写真だが、このように「口を硬く締めて、唇が横に広がった」形は「怒り」を表している。同時に下唇の下にできている“梅干し”は英語でchin boss(顎の突起)といい、悲しいときにできる。そして「怒り+悲しみ=悔しさ」である。つまり、この写真のイチローは間違いなく何かを悔しがっているのである。

さらに言えば、目の動きが「何を悔しがっているか」についてヒントを与えてくれる。イチローの目は向かって右上を見詰めている。これは「追憶」を表している。つまりこの写真のイチローは、「昔の何か悔しい出来事を思い出している」と考えてほぼ間違いない。

ビジネスシーンで口の形が重要になるのは、こちらが「肺肝を衝く問いかけ」をして、それに相手が答えた直後である。目の場合は問いかけに答える直前の動きが重要だったが、口の場合は答えた直後の形に相手の本音がすべて表れていると考えていい。

たとえば上司であるあなたが、部下に対して重要案件の進捗状況を尋ねたとしよう。

「君、例の案件はどうなっている」
「はい、もちろん順調です」

部下がこう答えて、その直後に唇を左右に広げ、しかも唇が離れており、さらに下唇に張りがあったら、それは「恐怖・不安・心配」を表している。要するに、案件はうまく進行していないのである。

一方、部下が上唇と下唇を巻き込んだときは、何かを「隠蔽」していると見て間違いない。しかも強い決意を秘めた隠蔽である。ひょっとすると部下は、あなたに対してクーデターを起こそうと決意を固めているのかもしれない。

●ビジネスで主に見られる6種類はこれ
【怒り】唇は硬く締めて、上唇は口に巻き込む。全体は水平に薄くなる。
【恐怖】唇は左右に広がり、上唇と下唇は離れている。下唇の張りも特徴。
【軽蔑】どちらか一方の口角を耳の方向にわずかに引いて、プレスする。
【隠蔽】上唇と下唇を口内へ強く巻き込む。感情を抑えている可能性を示す。
【良心の呵責】下唇を口の中に吸い込み、上の歯で下唇を噛むのが特徴。
【悲しみ】下唇が押し上げられ、口角は押し下げられる。あごに突起ができる。
(写真=Getty Images、時事通信フォト)
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