「無批判にAIを使う人」を炙り出す仕掛け
ハルシネーションとは、生成AIがまるで幻(ハルシネーション)を見ているように、事実に基づかない情報を生成してしまう現象を指す。生成AIの出力結果を必ず人の目でチェックしなければならないのは、誤りが多く含まれることが分かっているためだ。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の「総合政策学」の授業では、ハルシネーションについて説明した上でPDF資料を配布。資料には、授業と無関係な福澤諭吉の著書『文明論之概略』に関する要約文や指示文が、人には見えずAIだけに見える形で仕込まれていた。
そのため、資料をAIに入力して要約や感想を生成すると、授業では扱っていない『文明論之概略』についてのコメントを生成するため、生成AIを使った学生が一目で分かる仕組みとなっていた。気づかずにそのまま提出した学生は評価対象外にしたという。
慶應のAI対策ガチおもろい
— teapot (@onmyoupiles) April 21, 2025
してやられた pic.twitter.com/KkQCHzcKMT
生成AI製レポートを提出する学生たち
一流大学であるSFCの学生がそのようなことをしていたこと、AI時代ならではのプロンプトの仕掛けで話題となったが、これはSFCだけの話ではない。多くの大学で、類似のことが起きているのだ。
大学こそ違っても、多くの大学教員が「生成AIで書かせたレポートを出してくる学生は多い」と言う。ある教員は、「『AI使用の疑いあり』として毎回減点している。『抗議があれば受け付ける』としているが、抗議されたことはほとんどない」と話す。
また別の教員は、「レポートを見る時にはAIチェッカーは必須。自分が採点で使っていることを明かした上で、生成AIの文章の特徴、どういうレポートだと生成AI製と判定されるのかまですべて事前に指導している。そこまでやると(生成AI製は)減るけれど、それでもやはり出してくる学生はいる」。

