「胡散臭い」イメージの理由

東洋医学といえば、その人の体調と体質を表すために「虚実」「寒熱」「気・血・水」という3つの物差しを使う。これら3つを合わせて「しょう」という見方がされる。しかし、証によって処方する形が、漢方薬が非科学的だとか胡散くさいといわれてしまう理由でもあると私は思う。

取材で開口一番そう話すと、大野教授がうなずく。

「東洋医学の診断の際には『その人の証をとる』という言い方をしますよね。まったく違う病気だけれども同じ治療をする『異病同治』、また一方で、同じ病気だけれどもその人の症状に応じて薬を変える『同病異治』という言葉もあります。例えばよく知られる葛根湯かっこんとうは、風邪の引き始めや肩こりに適応があるとされていますし(異病同治)、AさんとBさんが同じ“風邪のひき始め”であっても、体質に合わせて違う漢方薬を処方する(同病異治)ということです。その考え方は否定されるものではありませんが、あくまで私の本では西洋医学の視点で東洋医学を捉える試みをしています」(大野教授、以下同)