「よく考える」だけではなぜダメなのか

「地頭」とは本質的には「思考力」です。わかりやすく言うと、自分の頭で考えること。当たり前のようですが、どれだけの人が自分の頭で考えているでしょうか。この問いの意味は後々触れていきますが、まず言いたいのは、「頭でどれだけ考えようと、それだけで地頭がいいとは言わない」ということです。

では、何が必要かといえば、「まず、やれ!」です。

つまり、行動すること。そもそも何のために考えるのかといえば、行動するためです。考えて行動しないのなら、考えることに意味がありません。思考力とは、考えることと行動のセットだということです。

では、一度考えて行動するのが地頭の良さかというと、それも違います。「考えて行動する」を“繰り返し行う”人のことを、地頭のいい人と私は定義しています。つまり鍵は「実行し続けること」なのです。

まだ、イメージがわかないかもしれませんが、ここで思考力を発揮してみてください。

一時的にマネするだけでも可能ですが、それを「続ける」には、冒頭で言ったとおり、自分の頭で考える必要があります。では、何を考えるのか。そのヒントが、本稿のテーマである「疑問力」なのです。

まず、自分で考えてやってみた。ところが、たいていのことは思ったとおりにいきません。そこで「なぜこうなったんだ?」という疑問を抱くはずです。この疑問が重要なのです。その答えを探るためには、自分で考えなければなりません。疑問が次の思考を促す力になるのです。自分の頭で考えるという意味がこれです。

考えるのは実行するためであり、実行すれば疑問が出てくる。だからまた考えて行動する。それを延々と続けることが、私が考える「地頭の良さ」ということなのです。

おそらく多くの人のイメージとは違っていることでしょう。その理由は、「地頭の良さ」が日本の学校教育とは正反対のところにあるからです。

日本では「頭がいい」とは、試験の点数が高いことだと思われています。その試験は記憶力を測るものばかり。つまり、日本の教育は記憶力で生徒を評価するシステムになっているため、記憶力のいい人が高学歴を手に入れて、要職に就ける社会だということです。