世論操作のツールになってしまう危険性

このような会話が展開されること自体、薄気味悪さを感じる人も多いであろう。元々「政治の話は人前でするな」がモットーの家庭も多いだろうし、そもそもアルゴリズムがレコメンドしてくれた候補者と政党に対して「清き一票」を躊躇いもなく投じてしまう軽薄さに、憤慨する人もいるかもしれない。

スマホを使用する女性
写真=iStock.com/metamorworks
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感情的な違和感だけにとどまらない。現実的に、ボートマッチの裏側のアルゴリズムや開発者の政治的志向がはっきりしない以上、「世論操作」のツールになってしまう危険性も否定はできないだろう。

「日本をこういう国にしたい/社会はこうあってほしい」という明確な意志からではなく、「ボートマッチのアルゴリズムにレコメンドされたから」投票してしまう世の中でいいのだろうか。そもそも、ボートマッチにはどのような課題があるのか。2000年代後半からボートマッチの研究を続けている香川大学法学部教授の堤英敬氏への取材をもとに、紐解いていこう。