最後の教育についてであるが、1番問題になるのが子どもを私学に通わせたケースである。小中学校でも授業料が有料であるのはもちろんのこと、入学金や寄付金など出費もばかにならない。それに、友達がお稽古ごとや塾に通っていたら、「ウチの子も」となるのが親心というものだろう。

図を拡大
図表3 こんなにも違う公立と私立の教育費

そして、その結果がどうなるかというと、文部科学省の「子どもの学習費調査」に見事に示されている(図表3参照)。年間の学習費総額は小学校の場合、公立の30万7723円に対して、私立は139万2740円と4.5倍もの水準に跳ね上がる。中学校にいても、公立が48万481円であるのに対して、私立は2.6倍の123万6259円にもなるのだ。

この教育に関して忘れてはいけない落とし穴がある。それは奥さん同士の付き合いで予想外のお金が出ていくことである。PTAの会合などに出席すると、何十万円もするブランドものの高級バッグを持った奥さんが勢ぞろいする。すると頭をもたげてくるのが「私1人だけ持っていないのはみっともない」という見栄である。そして、ご主人の知らないうちに真新しいバッグが奥さんの腕にぶら下げられているようになる。

また、会合の後に「ちょっとお茶でも」と誘い合わせていく先が、コーヒー1杯で1000円近くするホテルのラウンジだったりする。そして「たまにはランチでもご一緒に」となれば、3000円前後のコースを楽しむこともザラにある。いくらご主人が昼飯に1杯280円の牛丼をかき込み、たまの息抜きは缶コーヒーで我慢していても、それでは家計は一向に楽にならない。まさにエア節約の極みといってもいい話だろう。

ただし、この固定費の見直しに対する唯一明るい兆しがある。それは節電意識の高まりで光熱費が圧縮の方向へ転じていることだ。いまやマメに消灯するのは当たり前で、白熱球からLED(発光ダイオード)へ切り替える人も増えている。最近私も自宅の60ワットの白熱電球を10個ほどLEDに換えた。投資額は3万円だったが、電機メーカーのシャープがネット上で行っている省エネシミュレーションで1日4時間の使用を前提にすると、2年強で元が取れる計算だ。ぜひ皆さんにもおススメしたい。

(構成=伊藤博之 撮影=小原孝博、飯田安国)
【関連記事】
“お金にモテる人”の気になる財布の中身 -「難民家計化」の落とし穴【2】
年収は、なぜ「使う財布の値段」の200倍になるか?
あなたのサイフは“ブタサイフ”になってませんか?
「手取り800万貯金ゼロ」vs「300万で貯金1千万間近」お財布比べ
なぜ、財布と家にモノをため込む人ほど貧乏になるのか