栄養不足とともに現れるサルコペニアとカヘキシア
高齢者の栄養不足には、しばしば2つの医学的な状態が伴います。ひとつは「サルコペニア(筋肉減少症)」です。これは、筋肉量や筋力が加齢とともに減少する状態で、栄養不足があるとその進行が著しく加速します。サルコペニアが進むと、転倒や骨折のリスクが高まり、日常生活の自立度も下がっていきます。問題は筋肉の大きさだけではなく、機能が失われることこそが深刻なのです。
もうひとつは「カヘキシア(悪液質)」と呼ばれる状態です。がん、心不全、末期の肺疾患や肝疾患など、重篤な慢性疾病のある人に見られることが多く、激しい炎症や代謝異常が関係しています。通常の栄養介入では改善が難しく、早期の見極めと対処が求められます。
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