栄養不足とともに現れるサルコペニアとカヘキシア
高齢者の栄養不足には、しばしば2つの医学的な状態が伴います。ひとつは「サルコペニア(筋肉減少症)」です。これは、筋肉量や筋力が加齢とともに減少する状態で、栄養不足があるとその進行が著しく加速します。サルコペニアが進むと、転倒や骨折のリスクが高まり、日常生活の自立度も下がっていきます。問題は筋肉の大きさだけではなく、機能が失われることこそが深刻なのです。
もうひとつは「カヘキシア(悪液質)」と呼ばれる状態です。がん、心不全、末期の肺疾患や肝疾患など、重篤な慢性疾病のある人に見られることが多く、激しい炎症や代謝異常が関係しています。通常の栄養介入では改善が難しく、早期の見極めと対処が求められます。
科学的根拠に基づく栄養対策
朗報もあります。高齢者の栄養不足は、避けられないものではありません。正しい知識と適切なアプローチがあれば、予防も改善も十分に可能です。高齢者の栄養学の面で2019年に発表され注目を集めたのは、スイスで実施された臨床研究です。栄養不良リスクを抱える入院患者に対し、個別栄養介入の効果を初めて大規模かつ体系的に検証した臨床研究で、医療界に大きな影響を与えました。
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