地元名士として君臨する役場職員

こうした傾向は、田舎ほど強くなる。なぜかといえば、都会に比べて儲かる仕事が圧倒的に少なく、数少ない発注に頼るしかないからだ。しかも、発注元の多くが地方自治体である。必然的に「公務員以外のあらゆる老若男女が、地方公務員の前では表向きであっても頭を下げる。人口の少ない土地に行けば行くほど、この傾向は強い」(『地獄の田舎暮らし』)。

その背景には「地域に落ちる、落とすお金の多くが自治体による発注業務である比率が強まれば、民間で食べている者は、日常からの発注元と下請けという構図の延長で、誰も、地域の公務員様には頭が上がらない」(同書)という事情がある。