「罪を犯した人を社会から葬り去っていいのか」

これについて森保監督は、「苦しんでおられる方をより苦しめるようなことは、もちろんあってはいけない」と言いながらも、「何か罪を犯した、過ちを犯したことがある人も社会から葬り去っていいのかというところも同時に考えていいのではないか」と、前回の会見で述べた考えを繰り返した。そして「苦しんでおられる方々にできる限りのことはやっていこうと考えている」と言うのにとどめた。

前回の会見で森保監督は、佐野選手に対して「再チャレンジする道を家族として与えることの方がいいのではないか」とも言っていた。チームに迎え入れてやり直しの機会を与える場が必要だということなのだろう。

オーストラリアに敗れ、試合後に選手に声を掛ける森保一監督(中央)、背番号5番が佐野海舟選手
写真=時事通信フォト
ワールドカップアジア最終予選。オーストラリアに敗れ、試合後に選手に声を掛ける森保一監督(中央)、背番号5番が佐野海舟選手=2025年6月5日、オーストラリア・パース

加害者のケアの前に、被害者のケアは十分か

ただ、そこで気になるのは被害女性のことだ。森保監督やJFA、日本代表チームにとって、彼女はどのような存在なのだろう。単なる部外者なのだろうか。でもそうした代表チームの「家族」の輪の中に入らない存在であれば、「葬り去られてはいけない」選手の、二の次にしていいわけではない。被害者のケアこそ優先されるべきものだからだ。