唯一の例外は、シェフがあいさつに来たとき

「ホストが先に『おいしい』と言わないほうがいいのですが、例外があります。高級店の場合、シェフや支配人、時には経営者が常連のお客さまに挨拶に来ることがあります。シェフが『今日はありがとうございました』と挨拶する。

それに対して、常連でホストの方が『ありがとう。いつもよりおいしかった。あなた、私より今日のお客さんのほうが好きでしょ』などと言うのはまったくかまいません。ゲストのお客さまは喜ぶと思います。店の人間があいさつに来た場合は、ホストの方が『おいしかった』と言うことです」

熊谷氏
撮影=門間新弥

気をつけるべきはゲストに対して料理の感想を聞くタイミングだろうか。最初に運ばれてきたアミューズもしくは前菜の段階からゲストに向かって、「いかがですか? この店の前菜は抜群においしいでしょう」と話しかけるのはおかしい。かといってメインが出てくるまで待つと時機を逸する。前菜が終わった後の料理を食べてから、「どうでしょう?」と切り出すのがちょうどいい。