上代日本語では「ヤマト国」と読む

邪馬台国を「ヤマト国」と読み、奈良盆地の大和を意味するとする言説は、畿内説をとる研究者によってこれまでにも主張されてきた。これに対して、中国では「台」を「ト」と読むことはなく、もし「ヤマト国」ならば「都」や「土」などの別の字が用いられるはずとする反論がなされてきた。

武蔵大学人文学部教授の桃崎有一郎氏は、「邪馬臺国」を「ヤマト国」と読む根拠を示している。桃崎氏によると、5~10世紀頃までの中国では、「台」は「タイ」「ダイ」に近い発音だったが、『魏志』倭人伝が記された3世紀に近い時代の発音は、「ダ」と「ドゥ」の中間の音だったという。