分析にあたっては、イベントに訪れた人のブログを抽出し、そのブログデータをキーグラフで可視化します。

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図8:ヒットの「話題共鳴分析」で見えない本音が見えてくる

右上に「すごい-感動-楽しい」という島が出現していることから、イベントそのものへの満足度が高いことがわかります。また「夜-ライトアップ-時間」といった昼間とは違った楽しみ方に関する話題もあります。

一方、「駐車-シャトルバス-会場-車」「渋滞-GW-多い」といったイベント会場へのアクセスに関する話題も多く、実際のブログの中では不満要素として書き込まれているものも少なくありません。きっと会場でイベントの改善点についてアンケート調査をすれば「会場まで遠いので近くに駐車場がほしい」という意見が多く出るでしょう。

これをどう読み取るかが問題です。本当に必要なのは駐車場なのでしょうか。このキーグラフから見えてくる最も重要なポイントは「移動経路を話題にしたくなる」というインサイトではないかと思います。たとえば「駐車」というキーワードに関連するブログを見てみると、「駐車場が満車でとても混雑していた」というネガティブな書き込みも確かにありますが、単に「駐車場からフェスティバル会場まで遠いので無料のシャトルバスが出ている」という情報がほとんどです。これは「私はこうやって会場に行った」というネタであり、周辺話題性の1つなのです。

もし次回のフェスティバルで改善するとすれば、それは会場までのアプローチで「さらに話題を喚起させる何か」を考えることのほうが大切だと思います。「無料のシャトルバスが出ているけど、実は日本に3台しかないエコバス」とか「会場までの道のりでこれは必見!」といった話題を生み出せれば、駐車場から会場までの遠さが逆にプラスに作用するはずです。